塗装の基本

部屋を美しく見せるための、ペンキ塗りの基本テクニックをご紹介します。初心者にも分かりやすく丁寧に解説していますので、こだわりのある方は是非挑戦してみてください。
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塗装の基本 ペンキ塗り

1.ペンキはよく混ぜる
  • ペンキはよくかき混ぜた上でバケット(容器)にいれます。
  • バケットにいれるペンキの量はバケットの半分までにしましょう。
  • バケットにローラーを浸し、網部分でしごいて余分なペンキを落とします。垂れない程度にたっぷりとつける方が、作業がしやすいです。

バケットにローラーを浸し、網部分でしごいて余分なペンキを落とす

2.ハケで細部を塗る
  • 天井の際や窓の周りなどのローラーで塗りにくい細部から先に、 ハケで塗っていきます。
  • ハケは鉛筆持ちで、手首のスナップを利かせて柔らかく動かします。
  • なるべく、毛先を立てて塗るのがコツです。寝かすと余分な力が入って均一な厚さが塗れません。

ローラーで塗りにくい部分からハケで塗っていく

 

3.ローラー塗りの基本
  • ローラーはペンキを均一に塗るための道具で、ペンキはたっぷり付けます。(余分なペンキはバケットの網部分でしっかり落とします)
  • 垂らさないコツは、ローラーを転がす方向にあります。必ず下から上の一方向に動かします。始めは軽く転がし、含んだペンキが少なくなってきたら、力を入れていきます。
  • また、リズムも大切です。体の力を抜いて、リズミカルに塗っていくと上手に塗れます。

ローラーは下から上に向かって転がす

 

4.高い所を塗る
  • 天井を塗る場合は、壁よりも先に塗り上げてしまうのが基本です。
  • 天井付近の高い場所は、接ぎ枝を使って塗ります。塗り残し部分があるとムラになってしまうので注意しながら塗りましょう。
  • ※天井に塗るときは、ペンキが落ちやすいので頭にタオルなどを巻いて保護して下さい。

天井など高い場所は接ぎ枝を使って塗る

 

5.ダマはこそぎ落とす
  • ペンキのダマが壁面に付着してしまったら、半乾きの時にカッターでこそぎ落とします。
  • 残った跡はペンキを重ね塗りすれば、目立たなくなります。

ペンキのダマが壁面に付着したら半乾きの時にカッターでこそぎ落とす

 

塗装の基本 下地補修

6.壁紙のめくれを直す
  • 壁紙を下地として使う場合、壁紙はしっかりと壁面と密着していなければなりません。密着していないと、剥がれてしまうからです。
  • 浮いている部分や、めくれ上がった箇所は壁紙用の糊か木工用ボンドで張り直しをします。

浮いている部分や、めくれ上がった箇所は壁紙用の糊か木工用ボンドで張り直しをする

 

7.凹凸を直す
  • 凸凹のある壁はパテで埋めて直します。パテをヘラに乗せ、壁に対して垂直に近いくらい立てた状態で壁の端から内側へ刷り込むように動かします。
  • 凸状に出っ張ったパテや、はみ出したパテがあったらヘラで削り、平らにならします。
  • 更にパテが乾いた後にサンドペーパーをかけるとつるつるで平坦な下地になります。
  • 凸凹のまま、上にペンキを塗るとそこだけ浮き上がり、目立ってしまいます。

凸凹のある壁はパテで埋めて直す

 

8.亀裂や穴をパテで埋める
  • 下地となる壁面に穴や亀裂が入っていたら、仕上がりに影響がでるので、パテで埋めておきましょう。

下地の壁面に穴や亀裂があればパテで埋めておく

 

9.浮いた塗膜は剥がす
  • はがれかかった塗膜は、塗装のキレイな仕上がりを妨げます。作業前に落としておきましょう。
  • 塗膜のはがれの残り部分は、塗膜の厚みが段差になってしまうのでサンドペーパーをかけて滑らかにしておきましょう。
  • 不要な部分を剥がし終えたら、上から目の細かいサンドペーパーをかけ、塗膜の段差が目立たないよう平らに馴染ませます。

はがれかかった塗膜は作業前に落としておく

 

10.サンドペーパーをかける
  • サンドペーパーは凸凹やザラザラな面を滑らかにする事もできれば、ツルツルすぎる表面に細かい傷をつけて、塗料や接着剤がよくくっつくようにする事もできます。
  • 一部の化粧合板(プリント合板)は、防汚加工が施され、ペンキが付着しにくく出来ています。このような場合は、粗目のサンドペーパーを使って表面を荒く仕上げると塗装可能になります。

ペンキが付着しにくいツルツルの面などには粗めのサンドペーパーで表面を荒く仕上げると塗装しやすくなる

 

塗装の基本 養生

11.不要な物を外す
  • 家具やスイッチプレート、照明器具、カーテンレール等は養生をするより外す方が楽です。
  • 部屋も広くなって塗装もしやすくなるので取り外せる物はできるだけ外すようにしましょう。

スイッチプレートなど取り外せるものは外しておく

 

12.マスキングテープを使う
  • 柱など塗装したくない部分は塗らない部分にマスキングテープをはって保護します。
  • マスキングテープは利き手で持ち、50cmくらいずつ貼っていきます。マスキングテープの端のラインが塗膜の境目となるので、真っ直ぐに貼るのがコツです。
  • 【指で上から押さえ、しっかり密着させる】
    マスキングテープを貼っただけの状態では、まだテープが密着しておらず、塗料が隙間からテープと密着面との間に入ってしまう事もあります。指でテープ(特に縁の方)を上から押さえて、しっかりと密着させます。

塗装したくない部分はマスキングテープを貼る

ゆがまないようまっすぐ貼る

 

13.布コロナマスカーを使う

布コロナマスカーはマスキングテープより広い面積を保護するものです。床や窓ガラスなどの保護に最適です。
マスキングテープより広い面積を保護する場合は布コロナマスカーを使う

 

【布コロナマスカーの貼り方手順】

  1. 布コロナマスカーをマスキングテープと同じ要領で貼ります。
  2. シート部分を広げます。
  3. 広げたシートを床面に置きます。静電気の作用で床に張り付きます。

広げたシートを床面に置くと静電気の作用で床に貼り付く

 

14.参考例

【スイッチプレートの場合】

  • プレートの周りにマスキングテープを貼ります。

スイッチプレート周りにマスキングテープを貼る

 

【照明機器の場合】

  1. マスキングテープを根元に巻きます。
  2. その上にロールマスカーを貼ります。
  3. シート部分を広げて隙間がないよう照明機器をすっぽりと覆う。
  4. 完成。

照明機器はマスキングテープを根元に巻きその上にロールマスカーを貼る